地熱で温められた地下水が自然に湧出するものと、ボーリングによって人工的に湧出あるいは揚湯されるもの(たとえ造成温泉でも)どちらも、温泉法に合致すれば温泉である。温泉を熱源で分類すると、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは無関係の非火山性温泉に分けられる。非火山性温泉はさらに、地下深くほど温度が高くなる地温勾配に従って高温となったいわゆる深層熱水と、熱源不明のものに分けられる。また特殊な例として、古代に堆積した植物が亜炭に変化する際の熱によって温泉となったモール泉が北海道の十勝川温泉などに存在する。
火山性温泉は当然ながら火山の近くにあり、火山ガス起源の成分を含んでいる。深層熱水は平野や盆地の地下深部にあってボーリングによって取り出されることが多く、海水由来の塩分や有機物を含むことがある。
非火山性温泉の中には通常の地温勾配では説明できない高温のものがあり(有馬温泉、湯の峰温泉、松之山温泉など)、その熱や成分の起源についていくつかの説が提案されているが、いずれも仮説の段階である。
飛越地震後に新たに泉温70度の温泉が噴き出した立山の新湯や東日本大震災後に泉温が上昇した割石温泉など地震による温泉の変動が見られることがある。
日本では温泉は温泉法と環境省の鉱泉分析法指針で定義されている。
温泉の要素
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温泉には以下の要素がある。
- 泉温
- 泉温は湧出口(通常は地表)での温泉水の温度とされる。泉温の分類としては鉱泉分析法指針では冷鉱泉・微温泉・温泉・高温泉の4種類に分類される。
- 泉温の分類は、国や分類者により名称や泉温の範囲が異なるため、世界的に統一されているというわけではない。
- 溶解成分(泉質)
- 水(湯)以外の溶解成分は人為的に定められた規定に基づき分類される。日本では温泉法及び鉱泉分析法指針で規定されている。鉱泉分析法指針では、鉱泉の中でも治療の目的に供しうるものを特に療養泉と定義し、特定された八つの物質について更に規定している。溶解成分の分類は、温泉1kg中の溶存