「摩擦 (friction)」という語を初めて文献中で用いたのはアイザック・ニュートンだとされる[10]:2。しかし、アリストテレスを始めとする古代ギリシャ人や、ウィトルウィウス、大プリニウスらは早くから摩擦の原因や緩和法に興味を持っていた[11]。このころすでに静止摩擦と動摩擦の違いは知られていた。テミスティオスは350年に「動いている物体の運動をさらに強める方が、静止している物体を動かすより易しい」と記している[11][12][13][14]。
1493年、トライボロジーのパイオニアであったレオナルド・ダ・ヴィンチにより、滑り摩擦に関する古典的な法則が発見された。それらは私的な記録に残されたのみだったが[15][16][17][18][19]、ギョーム・アモントンによって1699年に再発見され、後に摩擦の基本法則(アモントン=クーロンの法則)の一部とみなされるようになった。アモントンは摩擦が生じる理由として、物体表面の微小な凹凸がかみ合うことで相対運動を妨げるという凹凸説(roughness theory)を示した[10]。この見方はのちにベルナール・フォレスト・ド・ベリドール(英語版)[20]とレオンハルト・オイラーによって深化された(1750年)。オイラーは斜面上に置かれたおもりの摩擦角を導き、静止摩擦と動摩擦を初めて明確に区別した[21]。ジョン・デサグリエ(1734年)は摩擦における凝着の役割を初めて認識し、接触面の凝着が引きはがされるときに発生するのが摩擦抵抗だという凝着説(adhesion theory)を唱えた[22]。
摩擦の理解をさらに進めたのはシャルル・ド・クーロンである(1785年)。クーロンは摩擦の四つの主要因として、物体とその表面塗装の性質、接触面積、接触面に垂直な圧力(荷重)、待機時間[23]に注目した[15]。クーロンはさらに、滑り速度や温度と湿度の影響を考慮に入れて、凹凸説と凝着説のどちらが正しいかを突き止めようとした。クーロンは摩擦の法則の中で静止摩擦と動摩擦を区別した(下記参照)が、この点は1758年に既にヨハン・アンドレアス・フォン・ゼーグナーによって論じられていた[15]。ピーテル・ファン・ミュッセンブルーク(1762年)は待機時間の効果を説明するため、繊維状になった接触面を想定し、繊維が次第に噛み合っていくことで時間とともに摩擦が進行するという見方を示した。
ジョン・レスリー(1766 - 1832年)はアモントンとクーロンの見方の弱点を指摘した。アモントンが言うように接触面で凹凸が噛み合っているならば、物体を滑らせたとき、接触点が凹凸の傾斜を上る間は抵抗が発生するが、傾斜を下るときに埋め合わされるのではないか? レスリーはデサグリエの凝着説に対しても同程度に懐疑的であり、凝着も抵抗としてだけではなく加速力としてはたらくのではないかと述べた[15]。レスリーの観点では、摩擦とは時間とともにアスペリティが押し延ばされていく過程であって、それによって空洞だったところに新たな障害物が作りだされるのだという。
アーサー・モリン(英語版)(1833年)は転がり摩擦と滑り摩擦という概念を展開した。オズボーン・レイノルズ(1866年)は粘性流れの式を導いた。これにより、工学において現在一般に用いられている経験的な摩擦の古典モデル(静止摩擦、動摩擦、流体摩擦)が完成した[16]。1877年にフリーミング・ジェンキンとジェームス・アルフレッド・ユーイングは静止摩擦と動摩擦の連続性について研究した[24]。
20世紀の摩擦研究は、その物理的なメカニズムの解明に焦点があてられた。フランク・フィリップ・バウデンとデイビッド・テーバーは、微視的なレベルでの真実接触面積が見かけの接触面積よりもはるかに小さいことを明らかにした[17]。バウデンとテーバーの著書 The friction and lubrication of solids(1950年。邦題『固体の摩擦と潤滑』)は摩擦研究の古典とみなされている[25]:17[26]。彼らによると、アスペリティの先端がもう一方の接触面に触れた部分だけが真実接触部となり、圧力が増えると接触部の面積は増加する。こうした現代的な形の修正凝着理論が摩擦の基礎理論として広く認められるようになった[10]:3,38。また原子間力顕微鏡(~1986年)の開発は原子スケールでの摩擦研究を可能にした[16]。その結果、原子スケールでの摩擦は接触面間のせん断応力と接触面積の積で与えられることが明らかになった。これらの二つの発見によって、アモントンの第一法則、すなわち、巨視的な乾燥摩擦面では垂直抗力と静止摩擦力が比例することが説明された。
1966年、摩擦と潤滑に関する科学技術の振興を目的とした包括的な答申書(ジョスト報告、Jost Report)がイギリスで作成された。この報告が注目を集めたのは、摩擦研究の発展によって、社会全体でGNPの1.3%にのぼる経費が節約できるという試算を示したためである。また同時に摩擦の関連分野の研究を「トライボロジー」という造語で呼ぶことが提案された。日本の通商産業省はこれに追随して1970年と1971年に「わが国潤滑問題の現状」という報告書を作成した。ドイツ、アメリカもこれに続き、共通基盤技術としてのトライボロジーの重要性が広く認識されるようになった。[27]:164-169
潤滑状態と摩擦係数の間の関係を示すストライベック線図。横軸は潤滑流体の粘性・摺動速度・荷重によって決まる無次元数、縦軸は摩擦係数を表す。高粘度で摩擦面に対する荷重が低く、摺動速度が大きいほど摩擦状態は図の右へ移行する。[74]
潤滑摩擦とは固体摩擦面の間に流体が存在する場合をいう。潤滑とは摩擦面に潤滑剤と呼ばれる物質を塗ることで摩耗を低減する技術である。適度な潤滑を行うことで機構の動作はなめらかになり、摩耗が緩和され、ベアリングに過剰な応力や焼き付きが発生することがなくなる。潤滑が効かなくなると、金属などの機械部品の摺動面で異常な高温や損傷・断裂を生じることがある。
潤滑摩擦は流体層の厚さによってさらに流体潤滑、境界潤滑、混合潤滑に分けられる。荷重が小さい領域では、摩擦面の潤滑液が押し出される動きに対して粘性摩擦がはたらくため、流体層はある程度の厚さを保っている(流体潤滑、図の3)。荷重が大きくなると、流体層が薄くなって滑り面の凹凸が互いに接触し始め、摩擦係数が急激に増大する(混合潤滑、図の2)。さらに荷重が増すと、流体層は分子レベルの薄さに達する(境界潤滑、図の1)。[9]:15[74]
転がり摩擦編集
転がり摩擦(転がり抵抗とも)とは、車輪などの円形物体が表面上を転がる時に生じる抵抗力をいう。一般的に転がり摩擦は滑り摩擦よりも小さい[75]。転がり摩擦において、動摩擦係数は転がり速度によって増加することが知られている[28]。
転がり摩擦の起源は滑り摩擦と同じく弾性変形や凝着、掘り起こしなどだが、車輪と面の間に滑りがない自由転がりの場合には、弾性変形によるヒステリシス損失が支配的となる。ゴムのタイヤとアスファルト舗装では、動摩擦係数は路面の状態にもよるが0.015程度となる[28]。弾性ヒステリシス損失の少ない金属どうしの場合には転がり摩擦係数は非常に小さく、鉄道の車輪とレールの間では10−2から10−4にもなる[27][76]。
道路を走る自動車のタイヤは転がり摩擦の好例である。タイヤが熱を持ったり走行音を発するのも摩擦のプロセスによるものである[77]。
真空中での摩擦編集
金属を高真空中に置くと、表面に吸着していた気体分子が脱離したり酸化膜が消失することで凝着が起こりやすくなる。同種金属の摩擦係数は空気中で0.6程度だが、真空中では1をはるかに超えることがある。清浄な銅どうしでは100近い摩擦係数すら実現できる。 グラファイトは潤滑剤としても用いられる物質で、摩擦係数は常圧で0.1程度だが、酸素や水の分子を脱離させると0.7以上に増加する。プラスチックはもともと表面エネルギーが低く、ファンデルワールス力による弱い吸着(物理吸着)しか起こらないため、吸着による摩擦特性の変化は小さい。[25]:97-108
このような結果から、大気圧条件下では潤滑剤を用いない場合にも厳密には乾燥摩擦とは言えないことがわかる。
原子レベルでの摩擦編集
超潤滑のモデル。凹凸は原子間力のポテンシャルを示す。清浄な微小原子面どうしが接触するとき、互いに向きが異なると凹凸の位置が整合しない。この場合、接触部が上り坂となっている場所もあれば、下り坂となっている場所もあるので、総体としてはどの方向にも力がはたらかない。このとき摩擦力は極度に小さくなる。
ナノマシンの設計では、接触している原子どうしをすれ違わせるのに必要な力を求めるのが課題となる。2008年、単一の原子を物体表面上で動かすのに必要な力が初めて測定された。超高真空中におかれた銅やプラチナの基板を低温(5 K)に冷却し、その上に置かれたコバルト原子や一酸化炭素分子を特製の原子間力顕微鏡によって動かす実験である[78]。
原子スケールで平滑な面どうしが接触している場合、それぞれの面の原子配列が摩擦に大きな影響を与える。原子周期が整合した原子面どうしの接触では、一般に結合力(すなわち摩擦力)は強くなる。逆に原子周期が不整合である場合、すべての原子を同時にエネルギー的に安定な位置に置くことができないため、結合力が実質的にはたらかなくなることがある。たとえば(高配向性熱分解)グラファイトどうしや、タングステンとシリコンの清浄表面の接触で0.01以下の摩擦係数が観察されている[79]。このように極度に摩擦が小さい状態は超潤滑(英語版)と呼ばれる[9]:82-87。
固体接触面で起きるわけではないが、摩擦と名の付く現象をここに挙げる。
弾性ヒステリシス曲線。変形量(横軸)に対する外力(縦軸)の変化を表す。青色の曲線にそって負荷を増やしていった時と、赤色の曲線にそって負荷を減らしていった時では必要な力が異なる。曲線で囲まれた部分の面積がエネルギー損失を与える。
物体が変形したとき、その内部でエネルギーの一部が熱に変わる現象を内部摩擦という。理想的な弾性体では応力と変形量は線形の関係にあるが、一般の物質では変形を増加させるときと減少させるときとで応力が異なる(弾性ヒステリシス(英語版))。動摩擦において、弾性平面上を接触点が滑っているとすると、その前方では接触点によって面が押し込まれて圧縮変形を受け、後方では凹んだ面が元に戻る時に接触点を前に押し出している。理想的な弾性体ではこれらの仕事はつり合うが、弾性ヒステリシスが存在すると、圧縮の際に面が受ける仕事の方が変形回復の際に放出する仕事よりも大きくなる。すなわち運動体のエネルギー損失を招く。[10]:194-195
内部摩擦の大きさを表す量はいくつかある。強制振動を与えた時に生じる変形量と応力の間の位相遅れ(誘電損失の損失角と同様)、共振曲線におけるQ値の逆数、振動サイクルあたりのエネルギー減衰率や対数減衰率である。[80]
流体の内部摩擦編集
流体層の間に相対的な速度差があると、それを減少させるようなせん断力がはたらく。これによって流体内部で流れに対する抵抗力が生じることを粘性という。日常的には粘性は「濃い」「ドロッとしている」のように表現される。水は「サラサラ」としていて比較的粘性が低いのに対し、蜂蜜は「ドロドロ」であって粘性が高い。流体の粘性が小さいほど変形させたり運動させたりするのが容易である。
現実の流体は(超流体を除く)、せん断力に対して何らかの抵抗を示す。すなわち粘性を持つ。流体力学の理論では説明のために「理想流体」という概念が使われる。理想流体は粘性を持たず、せん断力に対してなんら抵抗を示さない。
流体摩擦もしくは摩擦抵抗とは、物体の周りを流れる流体と物体表面との相互作用から生じる抵抗力である。流体摩擦は抗力の式から導かれ、流速の自乗および物体の表面積に比例する。流体摩擦は物体周辺の境界層における粘性抗力から発生する。流体摩擦を低減するには、流体が周りをなめらかに運動できるような物体形状(エーロフォイル、翼型)を採用するか、物体の長さと断面積を可能な限り減らす方法がある。
1909年にアルベルト・アインシュタインは光圧が物体の運動に対する抵抗力としてはたらくことを予言し、「放射摩擦 (radiation friction)」と呼んだ[81]。「一枚の板は常に両側から電磁放射による圧力を受けている。板が静止している限り、両側の圧力は等しい。しかし板が運動している場合には、進行方向側の面(前面)において背面より多くの放射が反射を起こすことになる。したがって、前面の圧力が与える力は、背面の圧力が与える力よりも大きい。よってこれらの合力は板の運動に対する抵抗としてはたらき、板の速度とともに増大する。この合力を簡潔に「放射摩擦」と呼ぶ」
摩擦は多くの工学の分野で重要な要素として扱われる。
ベルト摩擦編集
ベルト摩擦(英語版)とは、プーリーにかけたベルトやボラードに巻き付けたロープにはたらく摩擦力をいう。プーリーにかけたベルトの一端を引っぱるとき、もう一端に伝わる張力はプーリーから受ける摩擦力によって弱まっている。この張力はキャプスタン方程式
- {\displaystyle T_{2}=T_{1}e^{\mu \theta }}
を用いてモデル化される[25]:230-231。ここで {\displaystyle \mu }
は摩擦係数、{\displaystyle T_{1}}
、{\displaystyle T_{2}}
はそれぞれ保持側と負荷側の張力、{\displaystyle \theta }
は巻き角である。{\displaystyle T_{2}}
は実地でそのベルトが保持できる最大の張力にあたる。キャプスタンのような索具装備の設計者は、ロープを何周巻き付ければ滑って抜けることがないかを知るためにこの理論を用いる。クライマーや帆船乗員の基本技術の中にもベルト摩擦の一般的な知識を要するものがある。
ほとんどの陸上車両では、車輪と地面との間にはたらく摩擦力を利用して、車両に運動を開始させたり、加減速や方向転換を行っている。走行中の自動車のタイヤは、接地面の前方では路面と粘着(固着)しているが、後方では滑りが生じているのが一般的である。粘着領域でタイヤは前後方向に変形しており、その復元力が自動車に加速・減速を生じさせる[86]。局所的な復元力が最大静止摩擦力に達すると粘着は壊れ、路面との間で相対的に滑りながら元の形に戻る[87]。接触面で発生する粘着摩擦とすべり摩擦の和をトラクションと呼び[28][88]、車両の重量に対するトラクションの比をトラクション係数という[4]:55[90]。トラクション係数が理論上最大となるのはタイヤ接地面全体で滑り摩擦が生じているときで、このときトラクション係数はタイヤと路面の間の動摩擦係数と一致する[86]。完全な滑り状態(空転・滑走)では車の制御が行えないので、トラクションが路面の摩擦を越えない範囲で運転するのが最適とされる[88]。
粘着式鉄道とは、自動車のタイヤと同様に車輪とレールとの間の摩擦力を利用して駆動力を生む方式を指す。列車の重量に対する駆動力の比は粘着係数と呼ばれる[35]。
自動車のエンジン出力を伝達するトランスミッションのうち、無段変速機(CVT)などは摩擦力を利用して力を伝える。
ブレーキとは、摩擦の原理を利用して乗り物の運動エネルギーを熱に変換することで減速を行う仕組みである。ディスクブレーキでは回転するブレーキディスクとそれを挟み付けるブレーキパッドとの間の摩擦を利用する。ドラムブレーキでは、ブレーキシューを回転する筒(ブレーキドラム)に押し付けて摩擦を生む。ブレーキディスクはドラムよりも冷却が容易な利点がある。ブレーキパッドの摩擦材は繰り返しの利用や摩擦熱による高温に耐える必要がある[25]:231-234。
道路のすべりやすさ(en:road slipperiness)は自動車の設計と安全性における重要な要因である[91]。
- トライボメータ(英語版)は物体表面の摩擦を測定する器械である。静止摩擦の測定には摩擦角の原理を利用した傾斜法などがある。動摩擦の測定には、摺動面で発生する力を直接測定する方式のほか、振り子式のように振動の減衰を利用したり、駆動モータの負荷電力を通じて測定する方式がある。また摺動を与える方式には、試験片の形状や滑り形態によって回転ピンオンディスク式、往復動ボールオンディスク式、四球式など様々なものがある[10]:156-168。
- プロファイログラフ(英語版)は道路の表面粗さを測定する装置である。
日常における利用編集
- 人間の掌が物体を掴むことができるのは指紋による強い静止摩擦のおかげである[25]:6。
- 粘着パッド(英語版)は滑らかな表面に置かれた物体が滑り落ちることを防ぐため、摩擦係数を増やす目的で貼るものである。
- 原始的な発火法では木材をこすり合わせる摩擦熱を利用して火口への点火を行う。火打石を火打金に打ち付ける発火法では、金属の摩耗粉に摩擦熱が与えられて高温となり、さらに酸化反応の熱が加わることで火花となる。マッチやフリント式ライターでも点火の仕組みは同様である。[27]
摩擦の低減編集
転がり軸受の一種である玉軸受。外筒側と内筒側の間で転がり摩擦を起こし、回転の摩擦抵抗を減らす。
滑り摩擦が発生する部分に機械要素を使うと、より摩擦抵抗の小さい転がり摩擦や流体摩擦へと変えることができる。回転する軸を支えるようなときは、転がり軸受が活用される。接する物体どうしが直線相対運動を行う場合は転がり案内が有効である[92]:48, 55。油や空気を用いた流体潤滑を活用する軸受は流体潤滑軸受と呼ばれる。これらには静圧を利用するものと動圧を利用するものがある。低摩擦で清浄という利点から、静圧気体軸受が精密加工機や計測機器などで用いられる[92]:36, 43-45。
ナイロン、HDPEやPTFEのような熱可塑性樹脂の多くは摩擦が小さく、摩擦面の材料として用いられる[93]:233-234。これらの物質は、荷重とすべり速度が増えることで接触部が融点もしくは軟化点に達し、摩擦特性が一変するという性質がある[47]。過酷な条件や重要度の高い箇所で使用される軸受では、摩耗耐性を向上させるために分子量が極めて高いグレードの物質が要求される。
摩擦面にオイル、水、グリースのような潤滑剤を塗ると摩擦係数は劇的に小さくなる。潤滑剤としては主に薄い液体層やグラファイトや滑石などの粉体が用いられるが、音響潤滑(英語版)では物質ではなく音を利用する。機械部品の間の摩擦を低減するため、部品の一方に微小な振動を印加する方法がある。この方法はディザと呼ばれ、超音波カッターのように正弦波振動が与えられる場合もあれば、振動ノイズが与えられる場合もある。