位置 r にある電気双極子 p による電荷密度は
となる。複数の電気双極子 pi が位置 ri に分布しているとき、重ね合わせの原理により
となる。
電荷密度 ρ の畳み込みで表される場
は、電気双極子によるときは
となり、双極子が有限の領域に分布しているならば境界項はなくなり
が得られる。
例えば、電気双極子による静電ポテンシャルは
となる。
電荷密度 ρ に対して、1次のモーメント
として、電気双極モーメントが定義される[1]。
電荷密度を点電荷の集まり
と考えるとき、電気双極モーメントは
となる。
電荷分布が全体として中性のとき、すなわち
であるとき、電気双極モーメントは
となり、位置 x に依らない一定のベクトルとなる。
特に電気双極子による場合
である。
電気双極モーメントは原点付近に局在する電荷分布を近似する多重極展開における第一近似であり、電荷の総和がゼロの場合に、電気双極子の総和で近似されることを意味している。