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量子力学 - Wikipedia

量子力学

物理分野主として分子原子あるいはそれ構成する電子など微視的物理現象記述する

量子力学ょうしりきがく: quantum mechanics一般相対性理論と共に現代物理根幹成す理論として[1][2]として分子原子あるいはそれ構成する電子など微視的物理現象[3]記述する力学ある

量子力学
確定原理
序論英語 · 数学定式
表面楕円配置コバルト原子走査トンネル顕微鏡により観察
物理
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物理学
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量子力学自身前述ミクロにおける力学記述する理論取り扱うそうしたミクロ集まりとして解析することによってニュートン力学代表れる古典説明困難あっ巨視的現象について記述することできる例えば量子統計力学そのよう応用一つある生物宇宙ようあらゆる自然現象その記述対象なり得る[4]

代表量子力学理論としてエルヴィン・シュレーディンガーによって創始シュレーディンガー方程式基礎置く波動力学ヴェルナー・ハイゼンベルクマックス・ボルンパスクアル・ヨルダンによって構成ハイゼンベルク運動方程式基礎置く行列力学ある[5]ただしこの二つ数学等価ある

基礎科学として重要現代様々科学技術必須分野ある[2]

たとえば科学分野について太陽表面黒点磁石なっいる現象量子力学によって初めて解明[6]

技術分野について半導体利用する電子機器設計など微細領域に関するテクノロジーほとんど量子力学基礎として成り立っいるそのため量子力学適用範囲現代生活影響大き非常大きなものなっいる[7]としてパソコン携帯電話[8]レーザー発振器など量子力学応用開発いる[6]工学において電子工学伝導量子力学基礎として展開いる[9]

関連する研究領域編集

現代立場量子でも基本変数として粒子剛体古典力学同じものたとえば位置運動選び足りないものスピンなど適宜補っ量子量子力学呼び基本変数としてその時間微分または共役運動選ん量子量子呼ぶ量子力学量子エネルギー状態限っ近似としてられる[10] 量子力学基礎する応用理論一般指し量子物理呼ぶことあるこれ物性物理ほとんど領域素粒子物理物理など広範分野属するまた工学側面強調れる研究について量子工学呼ぶ場合あるナノテクノロジー半導体伝導素材基礎または応用研究など広範分野属する以上述べ通り量子物理量子工学という言葉いずれかなり広範囲領域含み具体研究対象示す意味用いられない

基本要請編集

量子力学における基本要請その数理表現について以下述べるこれについてフォンノイマン量子力学数学基礎以外伏見康治電子ファイル公開確率論及統計整理いる[11]

シュレーディンガー方程式ハイゼンベルク運動方程式によって量子力学問題取り扱う場合物理作用素さよう: operatorとして扱われる量子力学個々問題その基本方程式としてられる状態によって特徴付けられ測定得る物理具体振る舞い対応する物理作用素ある状態作用せることによって知ることできる作用素演算呼ば演算によって記述れる量子力学様式演算形式呼ばれる作用素および状態持つ一般性質それら満たすべき物理要請によって与えられる

量子力学ある物理確定状態その物理に対する固有状態ゆうじょうたい: eigenstate呼ぶ固有状態物理表す作用素固有関数ゆうかんすう: eigenfunctionとして表さ物理固有関数対応する固有値うち: eigenvalue結び付けられる

ある取り得る物理確率分布具体状態によって決定れるこの確率分布に関する規則ボルン規則呼ばれるこの状態ある物理固有状態重ね合わせによって表すことできに対して複数物理与えられいる場合それぞれ物理に対してその固有状態線型結合によって状態表すことできる

物理作用素固有値実数あること状態固有状態による展開常に可能こと物理対応する作用素自己共役作用素こきょうやくさようそ: self-adjoint operatorあること集約れる量子力学観測測定古典まして重要意味持っいるため物理というよう抽象呼称代わりオブザーバブル: observable観測可能もの呼ぶことある量子力学において自己共役作用素なるべきものこのオブザーバブルいる

ある物理測定その測定場合すぐさま同じ測定続け行うこと考える2測定についてその直前測定によって測定たい物理に関するほとんど時刻における完全知識られいるそのため2測定1測定必ず一致すること期待れる測定に関する状態役割ボルン規則によって規定れるべきあることからこの1測定量子状態測定対応する固有状態なっいること要求れる このこと状態波動関数によって表せ空間広がっ波動関数測定によってディラックデルタ関数ようある局在瞬間収縮すること示しいるこの現象収縮呼ば収縮起こすよう測定射影測定呼ばれるまた上測定に関する仮定射影仮説ゃえいかせつ: projection postulate呼ぶ

演算形式量子力学以下5閉じ有限自由純粋状態量子基本原理なっいる

ただし量子力学基本原理表し経路積分形式などある[10]

古典力学関係編集

相違編集

相対性理論ニュートン力学よう古典力学また古典電磁気量子力学大きな違いとして確定原理相補原理代表れる観測行為それによって記述れる物体状態取り扱いそれによって要求れる確率現象記述挙げられる事象確率のみ記述れるということニュートン力学など成り立っよう強い意味因果律成り立たないこと意味するより詳細言え量子力学において成り立つ因果律シュレーディンガー方程式によって記述れる波動関数時間変化因果あるこという[12]電波よう電磁波として性質示す一方粒子として特徴示さいる光量子仮説[13]粒子波動同時に現れ粒子動きする場合波動性質失い波動動きする場合粒子性質失う

量子力学応用古典解決できない問題として原子安定大き一様放射におけるプランク法則説明[14]原子分子からなる気体比熱容量決定[15]など挙げられいる

古典対応編集

古典力学量子力学近似理論ある言わその理由として

  1. いくつ有力模型プランク定数 0 みなせ古典力学等価なること
  2. シュレーディンガー方程式期待取ること運動方程式られること
  3. 古典力学における物理量子すること量子力学られること

など挙げられいる

ボーア対応原理

ボーア対応原理によって古典力学プランク定数充分小さな場合量子力学極限として位置付けられいる

エーレンフェスト定理

ポテンシャル空間微分古典対応するもの空間変化ゆっくり波動関数広がっいる範囲一定近似できるならシュレーディンガー方程式期待取ること運動方程式られる即ち位置期待運動期待古典力学における運動方程式あるハミルトン方程式満たす

量子力学解釈問題編集

量子力学観測編集

量子力学対象状態重ね合わせとして記述観測によって一つ状態ある確率実現するこの枠組みそれ以前まで育ま客観実在想定する決定記述見直す契機なり量子力学解釈問題重要課題なっ

ニールス・ボーア提示コペンハーゲン解釈観測行われる状態記述する波動関数一つ状態収縮いるするここどのよう観測という行為状態実際影響与えその状態実現について説明与えないこれに対しアインシュタイン量子力学記述ない実際その状態実現変数存在するはず主張局所隠れ変数理論また確定時期特定すること困難指摘する思考実験として有名シュレーディンガー示さ局所隠れ変数理論量子力学異なる結論出すことベル不等式によって立証実験検証アスペ実験によって棄却量子力学同じ結論出す局所隠れ変数理論存在するクラスター分解持たないいる

量子力学意識編集

コペンハーゲン解釈どのよう観測によって波動関数一つ状態物理収縮する説明おら隠れ変数理論数学成り立たないことフォンノイマンによって証明その証明使わ仮定1つ誤りあることデヴィッド・ボームによって指摘いる

ノイマン解釈問題過ぎないノイマンによる量子力学形式解釈独立ある収束人間意識関連いるという主張ユージン・ウィグナーこれ関連後述するパラドックス述べロジャーペンローズ意識量子力学関連論じいる量子理論[16]ウィグナーウィグナー友人パラドックス[17]によって示しいるこれシュレーディンガー変形毒ガス発生ランプ置き換え代わりウィグナー友人入れる場合あけ人間観測するまで生きいるでも死んいるないあるいはどちらある人間場合人間観測する時点観測行わべき友人既に観測行っいるべきという量子現象相互作用対象意識持つ人間など生物ある生物あるによって現象区別れること議論加わっいる収束観測れるミクロ対象マクロ観測装置両方含め物理説明しよする試み進められいる

量子力学論理編集

フォンノイマンによる量子力学形式量子力学数学基礎関連観測命題みなし量子論理ある観測性質反映古典論理法則うち分配成り立たないなど違いある

量子コンピュータ編集

計算信号媒体状態本来量子力学記述れるはずあり0 または 1 21ビットなく 0 1 それぞれ確率重ねあわさ途中持つことありうるこの量子状態1量子ビット (qubit) 呼ぶここ複数qubit量子もつれ状態することにより様々表わす状態それぞれ確率重ね合わさ状態実現することできる量子つれ壊さないユニタリー変換活用それぞれ確率重み変化せること演算行う特定問題について古典計算実現ない計算速度実現できる

この素因数分解含まおりShorアルゴリズムにより素因数分解多項式時間解けること証明いるRSA暗号大きな素因数分解事実不可能ある前提として成立いるため楕円曲線暗号離散対数問題含め前提量子コンピュータ崩すことなっいる

歴史編集

量子直接的はじまり放射分光放射輝度に関するマックス・プランク研究られ量子仮説導入統計力学からプランク法則導出190012論文[18]発表いるただしこの時点今日知られるよう形式量子力学られおら量子力学数学取り扱い整備れる1925以降ヴェルナー・ハイゼンベルク行列力学エルヴィン・シュレーディンガー波動力学登場による[19]

20世紀初頭まで示さ物理基礎決定物体運動ある初期に従って完全定まる考えられ力学力学立場から説明する目的ルートヴィッヒ・ボルツマンによって統計力学理論形成その基礎古典力学統計力学における確率事象統計性質だっ 一方同じく20世紀初頭建設いっ量子力学次第に決定性格帯びものあること示さ量子力学真に決定あるあるいは量子力学変わる決定理論存在得るなどといった議論生じ量子力学理論形式解釈めぐり論争展開[20]量子力学形成れる初期において従来ニュートン力学相対性理論異なり物体時空定まっ軌道とらない実験においてウィルソンなど利用すること粒子軌跡知ることでき見かけ古典運動実現いること指摘[21]この粒子飛跡説明する過程ハイゼンベルクにより確定原理発見粒子飛跡問題について正当ある物理解釈られるようなっ確定原理よれ物体位置運動両方定めることでき位置精度よく定めるほど運動正確決定できなくなる[22]しか位置運動確定プランク定数程度大きなり実験において位置運動充分精度測定することでき粒子連続運動いるよう見えることについて説明付けられいる

ハイゼンベルクによって示さ確定関係解釈適用範囲について議論続けられいるニールス・ボーアアルベルトアインシュタイン討論ベルギーブリュッセルにおいて19271024開か5ソルヴェイ会議始まり[23]1940年代まで断続続けられ[24]この議論1935アインシュタインによる実在定義提示[25]量子力学における実在局所研究行われるきっかけなっいる

前期量子編集

前期量子ぜんきりょうしろ古典力学統計力学時代からハイゼンベルクシュレーディンガーによる本格量子力学構築始まるまで過渡現れ量子効果に関して一連理論いう[19]

量子力学成立以前物理において物体運動ニュートン運動方程式によって説明18世紀産業革命はじまるニュートン力学ただちに機械工学応用はじめ毛織物など工業鉱山採掘など用いるため蒸気機関発明れる機関改良ともなっ力学発展やがてニュートン力学によって力学説明する試みによって初期統計力学構築また19世紀なっ電磁気現象理論体系形成光学現象空間成す電磁場振動すなわち電磁波によって説明れるようなっ

産業革命やがて製鉄など重工業広がりみせるグスタフ・キルヒホフ溶鉱炉研究から1859放射発見放射スペクトル理論研究統計力学結びつくことによって量子力学基礎なる理論与え最終マックス・プランクによってプランク分布発見エネルギー量子仮説1900発表物理放射プランク分布説明するため電磁波放出する電気双極振動するとき振動エネルギー離散とること仮定いる量子概念プランク定数導入詳細放射参照

マイケルファラデーカールフリードリヒ・ガウス幾何考察から見出し電磁に関する法則ジェームズ・クラーク・マクスウェル1864マクスウェル方程式としてまとめ電磁波存在予想この予想基づい1887ハインリヒヘルツ電磁波実証実験成功無線発明基礎与えさらにこの実験量子力学端緒ひとつなっ効果発見効果その後フィリップ・レーナルトによって実験研究進められ

1905アルベルトアインシュタインプランク用い量子概念用い電磁波粒子として性質あること光量子仮説発表1923アーサー・コンプトン電子によるX散乱においてコンプトン効果発見こと有力証拠詳細光量子仮説参照

1924ルイ・ド・ブロイアインシュタイン1905発表光量子仮説基い粒子よう振る舞うよう物質よう振る舞うという仮説立て粒子運動物質波長結びつけド・ブロイ仮説正当1927デイヴィソンガーマー実験によって示さ[26]金属結晶による電子回折確認する実験クリントンデイヴィソンレスター・ガーマー1927ジョージジェットトムソンによって行わおりデイヴィソンパジェットトムソンこの功績により1937ノーベル物理学賞いる1928日本菊池雲母薄膜による電子干渉現象観察電子波動もっいること示しいる

原子モデルおよび元素スペクトルについて議論量子力学重要知見与えファラデー電気分解実験によってイオン存在指摘やがて荷電粒子によって原子構成いること認められるようなっ 1911アーネストラザフォードガイガーマースデン実験からられ結果ラザフォード原子模型として新た原子構造モデル提案[27]1911論文においてラザフォードガイガーマースデンによって行わ散乱実験について検討原子中心集中小さな原子核その周囲回る電子によって構成れる結論ただしラザフォードモデル既存電磁気古典力学からられる結論両立古典電気力学定理ラザフォード原子適用する原子核によって加速電子そのエネルギー運動電磁波として放出失うから結果原子速やか崩壊しまうこと指摘[28][29]

1913ニールス・ボーアラザフォードによってられ原子構造それ以前から報告原子スペクトルに関する結果から原子束縛電子ある定常状態あっ定常状態電子電磁波放出原子スペクトル周波数電子異なる定常状態遷移する生じるエネルギーによって決定れるという仮定導き出し[30]このモデルボーア原子模型呼ばいるボーア定常状態に関する仮定から水素原子問題に関する量子条件この量子条件ボーア量子条件: Bohr's quantum condition呼ば原子定常状態実現得るため水素原子核周り運動する束縛電子運動換算プランク定数整数なっなけれならド・ブロイ物質導入すること電子軌道定常波成す条件れるようなっ

1915から1916にかけてアルノルト・ゾンマーフェルトによってボーア方法拡張[31]ゾンマーフェルトによる量子条件ボーアゾンマーフェルト量子条件として知られるゾンマーフェルトボーア理論ニュートン力学形式から解析力学形式置き換え一つエネルギーに対してボーア円軌道楕円軌道とる束縛電子存在すること示さこれにより磁場原子スペクトル分裂するという正常ゼーマン効果同じエネルギー持つ異なる電子軌道磁場によって別々エネルギー持つこと判明

ボーアモデルについて1917アルベルトアインシュタイン原子核崩壊から類推によって電子原子核ある原子状態遷移確率起こるというモデル導入アインシュタイン自身モデル古典統計力学組み合わせることにより原子集団放射エネルギー分布としてプランク公式られること示し[32][33]

1920ゾンマーフェルトアルカリなどにおけるスペクトル多重構造異常ゼーマン効果説明するため運動に関する整数量子新た導入[34]この原子持つ新た運動説明する理論として原子運動持つというモデル考案1921アルフレートランデ英語この磁気モデル基い量子運動合成導きまた1923異常ゼーマン効果与える公式導い[35]異常ゼーマン効果説明するにあたりランg因子呼ばれる因子導入その正確2あること述べ[36]

一方ヴォルフガング・パウリ磁気モデルよう原子運動持つなく軌道電子持つ古典2によって異常ゼーマン効果起こるという見方示し192412排他原理呼ばれる量子古典原理[37]このパウリ2について1925ラルフ・クローニッヒ電子自転結びつけるアイデア示しパウリクローニッヒモデル現実ものとして受け入れなかっ[38]電子古典自転運動するというモデル電子自転する持つべき運動大き実現するため電子表面速度光速超えなけれならないという困難あっ1925サミュエルハウシュミットジョージウーレンベッククローニッヒ同様電子自転モデル考え電子軌道運動量子運動持ちある方向について上向き下向き 2 自由持つ磁気モデル基づくラン計算評価行っ この電子持つ新た運動スピン運動呼ばいる1921磁気モーメント量子確認する目的行わシュテルンゲルラッハ実験において均一磁場通し原子2分岐する現象このスピン運動自由によって説明いる[39]

量子力学完成編集

量子力学発展貢献科学5ソルベー会議1927にて

1925ヴェルナー・ハイゼンベルク最初統一量子力学理論としてそれまで量子における状態遷移に関する規則一般位置よう運動運動よう力学結びつけこのハイゼンベルク方法マックス・ボルンパスクアル・ヨルダンポールディラックそしてハイゼンベルク自身によって発展同年1925行列力学として定式[40]ハイゼンベルクによって量子力学換代として認識れるようなっ

ド・ブロイ提案物質概念発展せる試みからピーターデバイ指摘促さシュレーディンガー1926シュレーディンガー方程式至っ[41]同じく1926シュレーディンガーハイゼンベルクによる行列力学自身波動力学対応関係示し両者理論数学等価あること示し[42]シュレーディンガーによってド・ブロイ描い物質波動描像明確示さしかし当初ド・ブロイシュレーディンガー思い描いよう空間広まっ物質波動という描像波動関数空間英語動くあっ空間波動ないことなどから否定られいる[43]

1926シュレーディンガー発表受けボルン同じ波動関数確率解釈提示ボルン示し要請ボルン規則呼ばいる

ハイゼンベルクによって発展行列力学シュレーディンガーによって形成波動力学いずれ演算形式相対量子力学における特別形式一つある時間発展役割演算負わ形式ハイゼンベルク描像いいハイゼンベルク描像における量子力学基本方程式ハイゼンベルク運動方程式呼ぶ同様状態ベクトル時間発展として量子描く描像シュレーディンガー描像いいシュレーディンガー描像における基本方程式シュレーディンガー方程式呼ぶあるいは状態ベクトル固有状態展開その固有状態係数として現れる波動関数時間発展方程式シュレーディンガー方程式呼ばれる本来シュレーディンガー見出し形式波動関数に関するものある

1927ハイゼンベルクによって確定原理示さボーア確定原理基礎として量子力学物理解釈構築相補概念導入すること量子力学物理基礎づけ試みボーア始まる確定確率解釈統合する物理描像コペンハーゲン解釈いる量子力学解釈について大きな議論巻き起こり確率解釈嫌っアインシュタインサイコロ振らない

ハイゼンベルクシュレーディンガーによって示さ量子力学相対理論相対量子力学定式シュレーディンガー波動力学模索するにあたり相対理論構築する以前試みられ既存結果一致するものられなかっ相対形式として1926クラインゴルドン方程式示さクラインゴルドン方程式スピン運動含ま波動関数確率解釈適用する確率なるという困難あっ 19281ポールディラッククリフォード代数導入することにより確率ならない相対量子力学構成ディラック導い方程式ディラック方程式呼ばいる

またディラック1939ブラ-ケット記法導入ディラック因みブラ-ケット記法ディラック記法: Dirac notation呼ばいるブラ-ケット記法ヒルベルト空間ようある空間状態ベクトルケット: ketその双対空間ベクトルブラ: bra表す記法ことブラケット自然として波動関数内積など簡潔かつ視覚示す目的利用れる

ジョンフォンノイマンにより量子力学数学厳密形式基礎確立量子力学数学基礎(1932)

量子力学完成以降発展応用編集

量子力学定式行われるようなっ現代物理量子力学アインシュタイン相対性理論最も一般物理基礎理論ある考えられるようなっその後電磁相互作用重力相互作用量子力学組み込むこと求められるようなっそれぞれ特殊相対性理論一般相対性理論量子力学橋渡しひとつ定式理論目指すこと相当する

1950リチャードファインマンフリーマン・ダイソンジュリアンシュウィンガー朝永振一郎によって量子電磁力学構築量子電磁力学ょうしでんじりきがく: Quantum electrodynamics: QED電子始めする荷電粒子電磁相互作用量子記述する理論ある一方量子力学一般相対性理論合わせ理論量子重力理論いまだ完成ない

さらに素粒子物理発展によって従来考えられなかっ電磁重力以外基本相互作用認められるようなっ量子力学研究れるようなり1960初頭から始まる今日知られる理論デイヴィッド・ポリツァーデイヴィッドグロスフランクウィルチェックにより1975構築すべて基本相互作用含む統一理論探求おこなわいる

これまでシュウィンガー南部陽一郎ピーターヒッグスジェフリーゴールドストーン大勢先駆研究基づきシェルドン・グラショースティーヴンワインバーグアブドゥッサラーム電磁気弱い単一表されること独立証明いる理論

量子力学成立によって物性物理発展基づい現代工学発展可能なっ今日IT社会ない情報社会呼ばれる状況成立いる電子工学半導体技術など量子力学その基盤いる量子力学また化学反応現代記述可能量子化学分野発展

哲学批判編集

哲学科学違う日常言語存在宇宙語ろ[44]しか量子創設一員ある理論物理ディラック哲学ことさら信用なかっ[45]ディラックケンブリッジ大学一番論客として鳴らし哲学ウィトゲンシュタインだっ含め哲学たち量子波動関数確定原理について的外れことばかり発言記述おりディラック不信嫌悪変わっ[44]ディラックところ哲学たち量子力学どころかパスカル以降確率概念さえ理解ない[44]なお数学論理学者田中一之一般哲学論理専門ない述べおり[46]計算科学コンピュータ科学論理トルケルフランセーン哲学たちによる数学言及多くひどい誤解自由連想基づいいる批判いる[47]

ディラック考え科学日常言語いくら使っ正確意思疎通行うことできない[45]量子力学説明くれ言う家族友人に対してディラック無理です言っ黙り込むだっ[44]どうしても説明ほしい迫る友人ディラックそれ目隠し触覚だけ結晶なに教えるようもの触っとたん溶けしまう返し[44]

宇宙背後ある語りものまたはについてウィトゲンシュタインもちろん言い表せないもの存在するそれ自ら示すそれ神秘ある述べこういっ哲学考え理論物理学者から疑問いる[48]何故なら語りはずについて科学言語する手がかり既に見つかっいるからある[49]例えばペンローズツイスター理論アシュテカーループ重力理論ロルアンビョルン因果動的三角分割理論研究進められいる[49]

脚注編集

[脚注使い方]
  1. ^ 2007, p. 1.
  2. ^ a b 石川 2011, p. i.
  3. ^ 松村 et al. 2014.
  4. ^ 山田 2003, pp. 67.
  5. ^ NetAdvance Inc. ジャパンナレッジ 量子力学2014NetAdvance Inc.。
  6. ^ a b 山田 2003, p. 7.
  7. ^ 筒井 2002, p. 5.
  8. ^ 柴田 et al. 2013.
  9. ^ 2006.
  10. ^ a b 清水 2004.
  11. ^ 伏見康治確率論及統計IX.量子統計力学 76 量子力学骨組 p.435 http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/204
  12. ^ 江沢 2002, p. 83-84; 107-108, §5.4 量子力学における因果律; §6.2 状態.
  13. ^ 朝永 1981, pp. 213224.
  14. ^ 田崎 2008, pp. 233268, 7. 電磁場輻射.
  15. ^ 田崎 2008, pp. 185195, 5-7 原子分子理想気体熱容量.
  16. ^ ペンローズ 1994.
  17. ^ ウルフ 1991, pp. 290294.
  18. ^ Planck 1900.
  19. ^ a b 高野 1981, p. 183.
  20. ^ 矢沢サイエンスオフィス 1998, pp. 6481.
  21. ^ 山本 1999, pp. 356359, 解説.
  22. ^ 1995, pp. 134135.
  23. ^ 山本 1999, pp. 221229, 365366, 原子核物理における認識問題めぐるアインシュタイン討論; 解説.
  24. ^ 山本 1999, pp. 365402, 解説.
  25. ^ 山本 1999, pp. 254257, 381387, 原子核物理における認識問題めぐるアインシュタイン討論; 解説.
  26. ^ 江沢 2002, pp. 6971, §5.1 電子干渉.
  27. ^ Rutherford 1911.
  28. ^ 江沢 2002, pp. 3335, §2.2 原子安定.
  29. ^ 砂川 1987, pp. 307311, 7 §3 電荷による電磁波放射その反作用.
  30. ^ 江沢 2002, pp. 4142, §3.2 ボーア原子構造.
  31. ^ 2010, pp. 9093, §4.2 量子条件ゾンマーフェルト理論.
  32. ^ 江沢 2002, pp. 5254, §3.5 アインシュタイン遷移確率.
  33. ^ 山本 1999, pp. 215217, 13. 原子物理における認識問題めぐるアインシュタイン討論.
  34. ^ 2010, pp. 132133, §5.2 スピン排他.
  35. ^ 2010, pp. 133134, §5.2 スピン排他.
  36. ^ 2010, p. 134, §5.2 スピン排他.
  37. ^ 2010, pp. 134135, §5.2 スピン排他.
  38. ^ 2010, pp. 135136, §5.2 スピン排他.
  39. ^ 2010, p. 93, §4.2 量子条件ゾンマーフェルト理論.
  40. ^ 山本 1999, pp. 3841, 352354, 1. 量子仮説原子理論最近発展; 解説.
  41. ^ 江沢 2002, pp. 5659, §4.1 シュレーディンガー波動方程式.
  42. ^ 山本 1999, pp. 352354, 解説.
  43. ^ 山本 1999, p. 47, 1. 量子仮説原子理論最近発展.
  44. ^ a b c d e 2014, p. 178.
  45. ^ a b 2014, pp. 177178.
  46. ^ フランセーン 2011, p. 233.
  47. ^ フランセーン 2011, p. 4.
  48. ^ 2014, pp. 193194.
  49. ^ a b 2014, p. 194.

参考文献編集

UTokyo OCW

関連項目編集

外部リンク編集