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共鳴理論 - Wikipedia

化学における共鳴理論きょうめいりろん量子力学共鳴概念により共有結合説明しよする理論ある

二酸化窒素寄与構造2種類
ベンゼン分子共鳴
共鳴

共鳴理論提唱編集

1929ライナスポーリングハイトラーロンドンによる水素分子共有結合描像から共有結合量子力学共鳴基づくものという描像提唱すなわち水素分子電子波動関数Ψ(1, 2) = c1φHa(1)φHb(2) + c2φHa(2)φHb(1) 水素原子Ha電子1所属水素原子Hb電子2所属する状態水素原子Ha電子2所属水素原子Hb電子1所属する状態共鳴おりそれにより安定起こっいるもの考えライナスポーリングこの描像発展様々結合様式についてまた化合安定反応について説明いっ

例えば極性結合について極性結合いる状態A-Bイオン結合いる状態A+-B-共鳴によって説明そしてこのよう共鳴寄与いるそれぞれ状態表す構造共鳴構造有機電子極限構造呼ん共鳴によって表される現実構造共鳴混成呼ん電気陰性この極性結合いる状態イオン結合いる状態寄与割合シュレーディンガー方程式解くことよらなくとも簡単評価できるようするため導入パラメータある

またメタンCH44CH結合等価あること説明するためこの共鳴概念使用すなわち炭素2s軌道32p軌道共鳴起こし4等価軌道分配れるという説明あるそしてこのよう共鳴により生成新しい軌道混成軌道呼ん

そしてポーリングベンゼンについて複数ルイス構造ケクレ構造英語デュワー構造対応する波動関数共鳴によりベンゼン安定説明すること成功ケクレ振動ベンゼン2ケクレ構造互変異性いるものつまり化学平衡あるもの考え共鳴理論2ケクレ構造あくまで仮想共鳴構造あり構造それら共鳴混成いるところ異なるそれ共鳴構造集合ある共鳴互変異性表す混同ならない混同避けるため互変異性においてそれぞれ変異生体片側ある矢印2上下並べ表すに対し共鳴2以上共鳴構造両側ある矢印結ん表す

この広義共鳴理論その後発展原子結合なっそのため広義共鳴理論大抵場合原子結合称さおり現在この広義共鳴理論によって説明れる現象共鳴安定および共鳴効果2概念について狭義共鳴理論呼んいること多い

共鳴安定編集

共鳴安定共役π電子において共鳴構造寄与によって孤立π電子比べエネルギー安定すること言う

ケクレ構造よれベンゼン結合3持っおりエチレン結合1持っいるそのため単純考えれベンゼン水素シクロヘキサンするとき発熱エチレンエタン水素するとき発熱3なる推測れるしかし実測みるこの予想れる半分程度しかないこれベンゼンπ電子孤立π電子よりエネルギー低いため考えられる1,3-ブタジエンについて同様孤立π電子よりエネルギー低いこと確認このよう共役π電子余分安定あること知らその起源について不明あっ

ポーリングこのよう共役π電子について複数共鳴構造寄与あるもの考え計算行ない孤立π電子よりエネルギー低くなること発見そこでこの余分安定共鳴によるものあることから共鳴エネルギー呼ぶようなっ

1,3-ブタジエンにおいて

よう両端イオン共鳴構造ビラジカル共鳴構造寄与ある

ベンゼンにおいて2ケクレ構造3デュワー構造寄与あるベンゼンなどヒュッケル満たす環状飽和化合特に芳香としてその安定説明れる

有機電子配向学習するより多く極限構造描くことできる化学安定あるという説明なされる例えば置換ベンゼンフリーデルクラフツ反応位置選択説明するためアシルカチオンベンゼン付加生じるカルボカチオン反応中間について描ける極限構造比較それ多い反応中間ほど安定あり生成やすいという説明れるしかしある極限構造描けとしてそれどの程度安定寄与いる構造ごとエネルギー依存するため単純極限構造だけ安定評価すること厳密欠く

共鳴効果編集

共鳴効果アニオンカチオン持つ共鳴構造寄与によってその寄与無視比し分子電子分布偏り(分極)生じるこというR効果呼称れることある

共鳴効果という概念ライナスポーリングによってクリストファーケルク・インゴルド提唱有機電子メソメリズム概念量子化学定義する導入

メソメリズムにおいてケクレ振動基づい共役π電子持つ化合複数構造互変異性ある考えそれに対して共鳴理論メソメリズム表現する互変異性構造極限構造として扱い構造それら共鳴混成あるとして原子結合用い量子化学解釈するこの結果どの程度共鳴構造寄与あるすなわちどの程度電荷偏りある定量評価すること可能なっ

誤解編集

共鳴構造分子実在過渡状態あり分子それら共鳴構造振動いるあるいはそれら平衡構造存在いるという一般誤解あるしかしながらこれら個々寄与構造実在共鳴安定分子において観測することできないいかなる分子あるいはイオンたった一つ共鳴混成存在する共鳴という単語物理意味混乱ため共鳴という用語廃止局在呼ぼという提案なさいる[1]ゆえ共鳴エネルギー局在エネルギーなり共鳴構造寄与構造なるこの場合矢印一連構造区切るコンマによって置き換えられ構造変換起こる反応存在するという誤解生じさせないようなる

原子結合における共鳴編集

ベンゼンVB混合[2]A1gおよびB2uというラベルD6h対称に対する指標によって定義いるよう2状態対称定義する

共鳴原子結合VB数学定式においてより深い重要持つ量子力学分子波動関数その観測れる対称従うこと必要するもし単一寄与構造これ達成できないなら共鳴利用れる

例えばベンゼン原子結合2ケクレ構造使っ始まり2構造によって表わさいる波動関数線型重ね合わとして分子実際波動関数構築する両方ケクレ構造等しいエネルギー有しいるためそれら全体構造等しく寄与するつまり重ね合わ2構造等しく重み付け11線型結合ある示すよう対称結合基底状態与えるに対して反対称結合励起状態与える

一般重ね合わ未定係数使っ書か次に基底波動関数任意に対する可能最低エネルギー探すため最適れるより多く寄与構造含まれる分子波動関数より正確なりより多く励起状態寄与構造様々結合から得ることできる

分子軌道比較編集

共鳴理論扱っいるメソメリズム芳香もう一つ量子化学解釈量子化学分子軌道用い解釈ある原子結合における共鳴解釈電子それぞれ原子束縛おり分子全体として共鳴構造電子状態量子力学重ね合わせ電子挙動示しいる適切共鳴構造共鳴考慮含まなけれ現実化合性質導出することできない複雑化合なるほど考慮入れるべき共鳴構造指数関数増加いっしまう一方分子軌道解釈電子特定原子束縛れるなく分子全体広がっ分子軌道存在局在いる解釈する分子軌道においてわざわざ共鳴概念導入するまでなく自然メソメリズム芳香導出れるそのため現在において分子軌道用い解釈主流あり共鳴概念局在電子分子軌道概念置き換えられいっ過言ない

原子結合代替手段ある分子軌道MOにおいて共鳴対称適合線型結合相当するもの原子軌道線型結合あるMOにおいて分子軌道MO全て原子全て原子軌道AOとして近似れるAO同じMO存在するそれぞれAOi個別MOそのAO寄与示す重み付け係数ci持つ例えばベンゼンMOモデル6炭素原子2pzAO組合せある6π分子軌道与えるゆえにそれぞれπ分子軌道ベンゼン分子全体にわたって局在おりMO占有いる全て電子分子全体にわたって局在するこのMO解釈によって六角形内部描くベンゼン描写着想ベンゼン描写するVB局在σ結合概念MO局在π電子概念初歩化学講義において頻繁組み合わせ教えられいる

VBモデルにおける共鳴構造ベンゼンといったπ置換効果予測するため特に有用あるこれによってベンゼン電子電子供与つて共鳴構造モデルもたらされるMO実用原子Ci重み付け係数ciから原子πから電荷定量指標られるある: 電荷qi ci2係数二乗する理由AOによって電子記述れるすろAO二乗電子密度与えるためあるAOAO2 =1なるよう調節正規qi (ciAOi)2 ci2なるベンゼンにおいてそれぞれ炭素原子qi = 1ある電子持つオルトおよびパラ炭素原子qi < 1 なり電子供与qi > 1なる

係数編集

全体構造寄与観点から共鳴構造重み付け原子結合あるいはWeinholdNBO5[3]自然結合軌道手法あるいはヒュッケル基づく経験手法由来する経験手法使用計算することできる共鳴教えるためヒュッケル基づくソフトウェアHuLiS[4]ウェブサイトから入手できる

脚注編集

  1. ^ If It's Resonance, What Is Resonating? Kerber, Robert C. . J. Chem. Educ. 2006 83 223. Abstract
  2. ^ Sason S. Shaik; Phillipe C. Hiberty (2008). A Chemist's Guide to Valence Bond Theory. New Jersey: Wiley-Interscience. pp. 201, 205. ISBN 978-0-470-03735-5 
  3. ^ Natural Bond Orbital 6.0 Homepage. 2016年3月24日
  4. ^ Simple HÜckel and LewIS embedded in the Hückel theory. 2016年3月24日

関連項目編集