第3章 タップハイライトとタップハイライトによる難文書の攻略
3.1 タップハイライト
本章ではタップハイライトという筆者がここ数年開発している技術をご紹介します。前書きでも紹介していますので、本章は要点のみです。
3.1.1 多色ハイライト
文章中の単語を「タップ」するだけでテンポよく同じ単語が同じ色にハイライトされます。ハイライトとはWebページで単語検索した際に単語にマーカーが引かれるあれです。
図3.1: 普通のハイライト(キーボード利用、単色)
単語検索と違い、タップハイライトでは多色のハイライトが使われます。多色のハイライトを駆使することでテキストを俯瞰的に眺めることができます。
3.1.2 アドホックなハイライト
アドホック、つまり読みながら都度ハイライトします。これにより、いきなり多色ハイライトにはならないです。必要最小限のハイライトになりますし、読者がハイライト意図を了解しながら読み進められます。プリセット(予めこの単語はこの色のハイライト、という設定をしておく運用)だとこうはならないです。
3.1.3 安価なハイライト(タップのみ)
タップ数回(漢字、ひらがなは2タップ、それ以外は1タップ)で完結しています。非常に安価です。キーボードやマウス、タップ長押しは不要なので読書からの集中が切れないです。
3.2 タップハイライトによる難文書の攻略
前章の最後で読者目線での難文書の難しさに触れました。タップハイライトでこれらがどう緩和されるか、見ていきます。
3.2.1 同じものは同じと明記、省略は基本的にしない
もともと、疑義がないようにするために同じ単語を明記する、省略しないのが難文書でした。同じ単語を同じ色にすることで以下の3つの効果をもたらします。
3.2.1.1 「その単語」と「それ以外」の区別
あとから出てきますが、難文書で明示された小見出しの単語をタップするのが有効です。これにより文書中での重要語が容易に同じ色にハイライトされます。重要な単語とそれ以外を容易に見分けて区別することが出来ます。一見すると重要語が分かるのが○と思われますが、ハイライトされないのは未出語なのでこちらも同じくらい注意する、という読書が可能になります。
3.2.1.2 見かけの未知語の数削減の話
未知語が見かけでは100個あったとしても、そのうちに同じ単語が20個ある場合は未知語は本当は81個になります。これは大きな削減です。とりわけ外国語の学習を楽にします。外国語の難文書、教科書やWikipediaのような解説文書が良いと思いますが、そのページのタイトルをハイライトするだけで容易に見かけの数削減がなされます。
3.2.1.3 ヒストグラムによるヒント語
ヒストグラムを利用することで重要語を割り出すことが可能です。このヒストグラムによるヒントにより後述の小見出しがない場合も有効なハイライトを実現できます。
3.2.2 形容詞と名詞の組み合わせ - 連想ゲーム
形容詞と名詞の組み合わせによる構成は、再帰・組み合わせ爆発を起こしていましたが、最早問題なくなります。外国語の学習であればむしろ好都合です。先ほど述べた見かけ上の未知語数の削減だけでなく、連想ゲームが可能となります。以下、外国語だとわからないかもなので日本語のクイズを用意しました。
3.2.2.1 問題(白黒)
黒文字を埋めてください(未知文字45種類)。
図3.2: 問題(白黒)
結構きつくないですか?では同じ文字を同じ色にハイライトしてみます。
3.2.2.2 問題(ハイライト済)
各ハイライトを埋めてください。
図3.3: 問題(ハイライト済)
まず注目してほしいのが未知文字45種類が4種類に削減されています。更に連想ゲームも可能です。考えてみてください。
3.2.2.3 答え